ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡
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向井和美/岩波書店
2026年4月発行
ある日、著者の向井和美さんのもとに、自著「読書会という幸福」への感想が綴られた一通の手紙が届きます。その手紙には、検閲済みの小さな桜の印が便箋1枚づつに押してあり・・・
送り主は、二十年前に強盗殺人を犯し無期刑の確定した受刑者、大矢さん(仮名)。父親から苛烈な虐待を受けて育った大矢さんは、衝動的に罪を犯し、奪った命、傷つけた人々への悔恨と贖罪の念を持ちながらも、「自分とはなんなのか」との思いを抱えていたある日、担当職員から「良書を読みなさい」と勧められたことで、本に向き合うようになります。
そんな大矢さんから届いた手紙に、向井さんは返信し、やがて往復書簡という形での読書会が始まります。やり取りを重ねる中で向井さんは改めて「本を読むよろこび」に気づかされ、受刑者の校正プログラムとしての「読書会」の」開催に奔走します。また、大矢さんも「読書」という行為や、感想を他者と共有することを通して、自己を認め、深く自分と向き合っていきます。
誰かが自分を気にかけてくれること、誰かを気にかけること。本は誰にでも同じ顔をしてそこにあってくれること・・・そんな当たり前のようなことが当たり前でない世界にいる人との交流から見えてくるもの。向井さんと大矢さんの手紙にどんどん引き込まれていきます。それはまるでふたりの読書会に参加しているよう。
巻末には大矢さんから届いた本の感想文と書名リストもあり。きっと読んだことがある本もあると思いますが、あなたはどんな感想を持ったでしょうか。
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レビュー
(76)
