-
トイ楽器の本
¥1,980
良原リエ/DU BOOKS 2018年4月発行 「トイ楽器」とは一般的におもちゃの楽器のことです。赤ちゃんからお年を召した方まで、誰でもすぐ音を出してみることができる、まさに「音を楽しむ」楽器。もしかしたら正しい旋律はとれないかもしれませんが、それゆえに笑顔になったり、新たなセッションが生まれたりするのかも。 そして「おもちゃ」であるために、ものとしてのデザインもシンプルながらとても愛らしいものがたくさん!眺めたり触ったりしてもワクワクします。 トイ楽器をすべてカラーで103種類掲載するこの本は、自らも楽器奏者として活躍される良原さんのセレクトされた、実際に楽器として演奏できるものばかり。おもちゃとしても、またDTMで本格的に使えたりも。鳴らす、弾く、吹く、そして観る、聴く!新しい楽器にチャレンジしてみるのも楽しいですよ。
-
バムとケロのおいしい絵本 絵本のなかのとっておきレシピ集
¥1,650
島田ゆか 監修・料理、レシピ制作 八木佳奈/文溪堂 2015年4月初版 おちゃめなコンビのバムとケロの絵本は、多くの方に読み継がれて30年!お料理が得意なバムと食いしんぼうのケロが起こすドタバタ物語のなかには、とても多くのおやつやごはんが登場します。 作者の島田ゆかさん監修のもと、忠実に再現されたお料理にはもちろんレシピつき。山もりドーナツやふわふわパンケーキ、寒い日のさつまいものスープやオムライスなどなど。巻末ふろくとして、バム。ケロ、おじぎちゃんラテアートも作れるステンシルプレートがついています。 秋の夜長、絵本のなかのおいしいものと一緒に、ちいさなころに読んだ絵本をもういちど眺めるのも楽しいですね。
-
日本のまちで屋台が踊る
¥2,530
中村睦美・今村謙人・又吉重太 編/屋台本出版 2023年12月発行 現代の「屋台」はイメージもさまざま。 実に軽やかで、閉塞感のただよう現代にあって、この本に出てくる「屋台実践者(屋台とともに街に出る人びと)」は、とても小気味よく街を闊歩し、人を引き寄せたり、時には自ら人に近づいて、不思議なコミュニティを作っていきます。まるでひとつの舞台のように。 「二極化」「分断」といわれますが、明らかに「持たざる者」のほうが増えている日本、世界。負け惜しみのようでもありますが、持たざる者の強みは「持っていないからこその柔軟性」。そのやわらかさで、人と街を縫うようにつないだり、やわらかいロウソクの灯りのようにそこで人を待っていたり。固定されてないから、よどんだ社会に流れを与えて新鮮な空気を入れていく。屋台は自ら音楽を奏でながらステップを踏んでいるようでもあり、そんな軽やかさこそが、これからを生き抜くひとつの「強さ」であるように思えるのです。 本の前半部分は屋台実践者のことば、後半部分は文化人類学・社会学・哲学・社会史・政治学の専門家による、屋台からみるレクチャー。「屋台がある・いる」ことが許容されない場所は、自由も魅力も底力もない、生きづらい場所でしかないのかもしれません。街づくりの本としても興味深い一冊です。
-
世界の納豆をめぐる探検
¥1,430
高野秀行 文・写真 スケラッコ 絵/福音館書店 2024年10月発行 ※「たくさんのふしぎ」傑作集 なんとなく、なんとなくなんですが「納豆」が日本のもので、かきまぜてネバネバしたらご飯にかけて食べるのが一般的で、パスタやチャーハンやお味噌汁に入れるのは新しい食べ方・・・なんて考えたりしていませんか。 高野さんによると、ご飯にかける食べ方は比較的新しい食べ方で、そもそも納豆は水戸が起源のものでもなくて、どうやら世界各地に「納豆菌」がいて、世界の納豆には、その土地ならではの食べ方があるようです。 どれもこれも暮らしに深くかかわっている・・・世界の未知の納豆を世に知らしめるための納豆探検に出かけたのは、ノンフィクション作家の高野秀行さん。納豆に対する情熱あふれる絵本は、きっと知らないことがたくさんで、読後ふしぎとあたたかい気持ちになってきます。楽しみながら学べる絵本です。さて、今日はどうやって食べてみましょうか?
-
IN/SECTS Expanded Edition「本をつくって本を売る」
¥2,475
インセクツ/20214年10月発行 ひとや文化をローカルの視点から見た書籍づくりをされている合同会社インセクツより発行の季刊誌「IN/SECTS」。本書はその中でも特に注目された vol.13「NEW BOOK SHOP CULTURE」とvol.16「本をつくる」(どちらも完売しています)を合本、追加取材されたファン必携の1冊です。 「本を楽しむ」と聞いて思い浮かぶのはもはや「本を読む」だけではなく、「誰がつくったか」「なぜこの本ができたのか」「どうやって手元にきたのか」そして「なにをつくろうか」など、本当にさまざま。この時代の文化は都心一点集中でなく、いまローカルだからこその強みも知ることもできるこの本。まず、直取引店限定付録の「活版特製しおり」を自分の手で仕上げることから、この本を楽しんでくださいね。 <目次> ▶︎地方発がおもしろい〜ローカルパブリッシャーを尋ねて〜 ▶︎ひとり出版の先輩に聞け! ▶︎まだまだあるぞ 地方発がおもしろい ▶︎出版リアル放談 レーベルって楽しい!! ▶︎ZINE ZINEさせて ゆ novation のZINE探訪 ▶︎漫画 「本づくりの4コマ漫画」 ▶︎これぞ印刷のニュースタンダード ▶︎教えて小田さん 本づくりからその先へ。リソグラフの可能性 ▶︎編集部が注目するインディペンデントな出版社・ブックメイカーズ84 ▶︎ブックメイカーが考える「本を売る」 ▶︎ブックフェアへ行こう! ▶︎ガケ書房の頃からホホホ座へ ▶︎僕が鳥取で汽水空港を営む理由 モリテツヤ ▶︎ストリートな ZINE SHOP voyage kids / Dig a Hole Zines ▶︎な夕書的 古本屋の営み方 ▶︎私とシカク スズキナオ ▶︎本屋開業(予定)記念! ノック3番勝負 ▶︎編集部が注目する BOOK SHOP ▶︎ニューカバーインタビュー竹本侑樹(イラストレーター/画家) ▶︎NESHINA ROOM 今月のおめでとう、ほか ▶︎コラム「秋の課題図書」
-
d design travel 広島号【34. d design travel HIROSHIMA】
¥3,190
D&DEPARTMENT PROJECT発行 *先行販売(発売日は10月18日です) *編集長神藤さんのラクガキバージョンのマップつき 2ヶ月間暮らすように現地を旅して見つけた、本当に感動したものだけを「ロングライフデザイン」の視点で紹介している、新しいタウンガイド-トラベルガイドシリーズ「d design travel」、この秋発売される広島版の取り扱いを本日より先行販売いたします。 目で見る「広島」「ひろしま」「ヒロシマ」、それぞれは少しずつ違う意味を持っているようにも思えますが、まぎれもなく過去からの地続きの場所。川があり、海があり、山があり、人がいます。途切れることなく続く場所を、新しい視点で観る人たちも、懐かしく見る人も。そんな「人」を真ん中にとらえるトラベルガイド。ぜひ暮らすように眺めて、ゆっくりと歩いてください。 表紙デザインは、過去にその場所の風景や文化、人を描いた画家の作品に、新たに現代の技法を用いて過去とつながりながら今の場所を描く、広島在住の画家手嶋勇気さんの作品【AID】より。広島のまちのどこが思い浮かんできますか?
-
ぼくがエイリアンだったころ
¥1,980
トンマーゾ・ピンチョ 著 二宮大輔 訳/ことばのたび社 2024年9月発行 *原作「UN AMORE DELL’ALTRO MONDO」(2002年):2014年版の全訳です *活字が利用できない方のための「テキストデータ請求券」つき 大人にすんなりなることができましたか。もしも、子どもの時に周りにいた大人たちが信頼できなかったら、大人になることに恐怖感と絶望感しか持てないでしょうか。 眠っている間に体もこころも何者かに乗っ取られて大人になる、ならば眠らなければいいんだ、と9歳の時に眠ることをやめたホーマー・B・エイリアンソンは、ある夜橋の下で出会った「カート」と名乗る男から譲られた「システム」により、18年の不眠を終え、再び眠りのある日々を受け入れます。地球外の生物である自分がここで生きるために必要なのはシステムと「恋人」。カートから離れて恋人を探す旅に出たホーマー、そのころカートは・・・ 著者は1963年ローマに生まれ、ニューヨークで画家を目指す傍らで当時のアート・カルチャーに多大な影響を受け、帰国後に作家へ転身したトンマーゾ・ピンチョ。訳者はイタリア文学の翻訳者であり、自らも音楽活動をする二宮大輔さんです。
-
【再入荷】おいしさつながる 昆布の本(たくさんのふしぎ2024年9月号)
¥810
お料理のおいしさに深みをあたえる「おだし」。種類はいろいろありますが、中でもとても力持ちの「昆布」の謎を掘っていきます。 そもそも、海ではゆらゆらしているのに、手元に届くときにはパキッと割れるほどの硬さになっている昆布。「手間」という文字のとおり、たくさんの、本当にたくさんの人の手を間にいれて、うま味を重ねて作られます。 おうどん、おでん、煮物のような和食だけでなく、洋食レストランや海外でも人気のある昆布。この本では産地のひとつ「羅臼」での昆布作りをとりあげ、楽しく解説されています。もちろん、おうちで使うときのコツも!
-
【再入荷!】100年後あなたもわたしもいない日に
¥1,980
文・土門蘭 絵・寺田マユミ/合同会社文鳥社 2017年10月発行 この本のタイトル「100年後あなたも私もいない日に」は、どこかで出会ってからずっと心の中に残っていました。 偶然見かけ、呼ばれたように惹かれて開いたこの本。読み進め、一番終わりに現れた表題の短歌は、めまぐるしい現代においてかわらないもの、かえたくないものを、考えるというよりは感じる余韻がありました。 土門蘭さんの文と短歌に寺田マユミさんの線画が互いに寄り添うように展開する、見るものをわくわくさせるような仕掛けと、文字と絵、余白のバランスが素晴らしい、丁寧に丁寧に作られた美しい本です。 限られた文字数の中で表現されたくらしや人生を、モノクロのシンプルな線で豊かに表現された本は、文中の単語「素数」と「トリミング」がキーとなっているように思えてきますが、ページをめくりトリミングされた日常の言葉と絵を味わいながら、自分の経験や気持ちが足され、あたたかさと悠遠な時間を感じるようになるようです。 合間に出現する闇夜の月が満ちていく様子は、そのまま気持ちが満ちていく様子かもしれません。
-
和田夏十の言葉
¥1,430
梶谷いこ/誠光社 2023年11月発行 和田夏十(わだ・なっと)さんは、主に夫である市川崑さんの作品の脚本家として活躍されました。 この本は、自らも日々文を綴られている梶谷いこさんが、敬愛する和田夏十さんのことばと重ねて日常生活の中の「本当に大切なもの」とはなんなのだろう、と書かれた連載を書籍化されたものです。 現代の社会においてあまりに清々しい和田夏十さんの言葉。和田夏十さんは1983年に62歳で亡くなられましたが、いま改めて触れるその数々の言葉は、刹那的でない絶対愛がつらぬかれています。愛とは、自由とは、生きるとは。いこさんとともに探してみてくださいね。
-
中学生から知りたいパレスチナのこと
¥1,980
岡真理・小山哲・藤原辰史 著/ミシマ社 2024年7月発行 生まれた場所がたまたまその場所だった。そのためにずっと虐げられる人々がいる。「わたしは暴力は振るっていない」と思っている人々は、どう世界と関わって、無意識のうちに何をしているのか。 知らない、見えない歴史を知ることは、世界とのかかわり方を考えるきっかけになります。この本は、パレスチナ問題に精通されている岡真理さんと、西洋史(ポーランド史)研究者の小山哲さん、ドイツ史・食と農業の歴史の研究者の藤原辰史さんが、それぞれの精通された視点から提言されています。 「中学生」ではまだ学習していない歴史もたくさん出てきますが、ひとりで読むのではなく、たくさんのいろんな考えの人に教えてもらったり、あるいは教えたりしながら読んでほしい本です。 読後、表紙のオレンジのイラストについて、なにを考えるでしょうか。 ※発刊に際して、岡真理さんによる「はじめに」が全文公開されています。 https://www.mishimaga.com/books/tokushu/006158.html
-
うたをうたうとき
¥2,420
詩 まど・みちお/絵 渡邉良重 アノニマ・スタジオ 2022年2月発行 人のこころへしずかに沁みいり、患者さんのみならず全ての見る方を癒す力を持つ「ホスピタルアート」。これは、山口県にあるホスピタルアートから生まれた詩画集です。治療や薬とは違う力を持つアート。同じ地球に存在するすべてのものが持ついのちの優しさ、強さ、美しさ。生きることはうたうこと。まど・みちおさんのやさしいことばと、ホスピタルアートのモザイクアートをもとに描かれた渡邉良重さんの挿絵が、いのち=世界のいとおしさを示してくれます。
-
えきべんとふうけい
¥1,540
マメイケダ 作/あかね書房 2021年10月初版発行 「ぼくのこと しってる?」そう聞くのは、あ!ある世代より上のひとにはおなじみの、あのおさかな。駅でおべんとうを買って電車に乗る人をみていたら、旅気分になったみたいですよ。「ガサゴソ・・・パッチン!」と聞こえるほうに行ってみると、そこにはおいしそうなおべんとう! 「駅弁」、最近ではすっかりデパートの催事での人気者になっているけれど、電車の窓を流れる景色を見ながら、駅弁を食べる旅は、ある意味とても贅沢な、なんともいい時間の過ごし方です。マメイケダさんの描かれる食べ物は、見ていたらお腹が鳴りそうなほどにおいしそう!山・空・海・まちの景色も色鮮やかなたのしい絵本。いろんなところを旅する気分になりますよ。
-
カラクリ江戸あんない
¥900
太田大輔 文・絵/福音館書店 2010年11月発行 発明家のおじいちゃんが、江戸時代の日記をもとに作った、水の香りのする「カラクリ(機械仕掛け、江戸時代に発達)」で、孫の姉と弟とおじいちゃんの3人は、江戸末期の長屋に暮らす船頭の喜助さんの仕事をとおして、当時の人びとの生活を見つめます。 黒船がやってくる少し前の江戸の人びとは、老いも若きも日々を愛し、ユーモアたっぷりで楽しそう。そしてゆったりとした水の恩恵を最大限に生かした暮らしは、長屋にも水道が通るくらい発達していながら、人にも地球にもやさしいものでした・・・ 版画で表現された街や人の様子のなかの着色された場所にあるのは水。暮らしの中のさまざまな場面に、水を見ることができます。今こそ江戸の暮らしに学ぶべきたくさんなことを、あちらこちらに見つけられる絵本です。
-
【再入荷!】ひとり ALTOGETHER ALONE(新装版)
¥1,980
GAZETTE4(小林深雪・小柳帝・鈴木惣一朗・茂木隆行)/誠光社 2024年7月発行 ※1999年12月発行「ひとり」の新装版です 「ひとり」も好き、「ひとり」が好き。自由な時間、解き放たれる時間、黙考の時間・・・ひとりを知らないと、ひとりじゃない時の自分もどこか居場所を探してしまうだけの時間になるような。 1999年の終わり、過ぎ去りつつあった大衆(みんな)で音楽を聴く時代を惜しみつつ、ひとりの時間をいかに大切に過ごすかを考え始めた人たちによるディスクガイド(発行元解説より)。20世紀に世に出た約500枚の洋楽・邦楽を「SWEET・BITTER・MILD」というインプレッションで解説されたディスクレビューと、当時のコラムの一部リライト版に新しいコラムを加えられた、とてもボリュームのある1冊です。 さまざまなジャンルの中から聴きたい1枚を見つけるのはまぎれもなく個性。それは「ひとり」の自分が、誰にも、どこにも属さずここにあることのような気がします。
-
Catnappers 猫文学漫画集
¥1,760
長崎訓子/ナナロク社 2019年9月発行 著者の長崎訓子さんいわく、「うたた寝をするひと」という意味の「Catnapper」。複数なのは、あなたもわたしもプロうたた寝士の道を!猫に学びたまえ!ということかもしれません。 イラストレーターの著者が名作短編を漫画にするシリーズの第3弾となるこの本は、「猫文学漫画集」とあるとおり、芥川龍之介、小川未明、赤川次郎、筒井康隆、中原昌也などなどの、猫がキーとなるような短編を漫画で表現されています。不思議でかわいく猫のようにどこかしなやかな本。表紙はピンクの箔押しの手触りも気持ちよい一冊です。
-
よるのえ
¥1,100
キューライス/大和書房 2022年3月発行 イラストレーター・漫画家のキューライスさんによる、散文の添えられたイラスト集です。 すべてのものがいきいきとかわいいイラスト(漫画などでおなじみのキャラクターも登場)と同じページにある文は、気もちの泉に黒のインクが一滴落ちてしまったような、なんともシュールな世界観。しかも「あれ、なんでこの絵が…」というものも、不条理もたくさん。 でも遠い世界の話ではなくて、記憶のどこかにありそうな、なさそうな…ほら、目の前の石は知ってる誰かにどことなく似てたりして… 夜がだんだん長くなり存在感が増してきた季節。一日のいろいろを終えたあとで、となりの世界をのぞいてみませんか。
-
本の幽霊
¥1,650
西崎憲/ナナロク社 2022年9月初版第1刷・2024年6月3刷 まだ今のように世界がオンラインで瞬時につながってしまう以前、海外の古書は、その古書店の発行する目録から注文する方法が一般的でした。注文してもすでに品切れの場合もあり、実際届いて開封したときにお目当ての本が入っていた時の喜びはとても大きいものだったでしょう。 ずっと探していた短篇集を目録に見つけ注文し待つこと数カ月、そして本は無事に届きました。心躍らせながら特別な本をはらりと開き、「夏のあいだはその窓を開けてはならない」との本文に満足しながら飽くことなく眺める夜を過ごします。 しかし後日、おなじ目録を持つ友人から「そんな本、載っていなかった」と聞き、あわてて見返すと・・・(本の幽霊) 表題作「本の幽霊」はじめ多くが本にまつわる6つの短編です。どれもエッセイのようでもあり、短編小説のようでもあり、読後はさわやかな心持ちに。 とても美しい装画は「イモムシ画家」桃山鈴子さんによるもの。金の箔押しもふんだんなこの本のデザインの細部を眺めると、この本自体がどこかで誰かに渡るのを待っている古書のようです。
-
さがしています
¥1,200
アーサー・ビナード 作 岡倉禎志 写真/童心社 2012年7月第1刷・2020年第18刷 *表紙写真:「鍵束」寄贈者・中村明夫氏(広島平和記念資料館所蔵) 「いってきます」、いつもの朝がその時間まであった戦時下の広島。持ち主に会えなくなってしまった「もの」が、あの日からのさがしものについて、思い出とともに語る「会いたい」という願い。 「いってらっしゃい」と見送ったあの人を「おかえり」と迎えることが当たり前であるように。やがて誰とも知れず「ピカドン」と呼ぶ原子爆弾の投下から79年を経てなお、ともにあった人たちをさがし続けるものたちは、争いが絶えず、自らと同じように持ち主をさがし続けるものたちが増えている現代の変わらない状況に、静かになにを思っているでしょうか。
-
死なれちゃったあとで
¥1,870
前田隆弘/中央公論新社 2024年月発行 はじめて身近な人の死に触れたとき、それまでのどこか遠い「死」がいきなり距離を縮めてきました。それから幾人もと別れを繰り返しているけれど、ひとりとして同じものはなく、身近な存在であればあるほど、かえって近いところでその人が息づいているようにも思えたりもします。 「死なれちゃった」あとで、先に逝った人たちは、いろんなものを遺してくれています。著者前田さんの後輩Dさんの場合もそう。死なれちゃっても終わるものは何ひとつない。死んだ人も、今でも新しいものを生み続けている。いろんな思いを抱えつつ、死に遭遇し、死とともに生きる人たち、わたしたち誰ものお話です。
-
東北モノローグ
¥2,200
いとうせいこう/河出書房新社 2024年2月発行 「モノローグ」とは演劇用語で「独白」の意。その通りこの本は、東日本大震災を福島・宮城・岩手で直接体験された方々や、山形で避難された方々と過ごす人たち、東京にいらした新聞記者など計17のそれぞれの方々への取材を、聞き手のいとうせいこうさんが一人語りの形式にリライトされたモノローグです。 けれどその記録には、家族、近しい人々、近所の人から一瞬の出会いだった人、立場の違う人など、当然ですが多くの人の声が収録されています。 同じ場所にいなかったし、この日にまだ生まれていなかった人も増えつつある今日。わたしではない誰かの声を聴くことは、誰の声も聴かないことに、なにもなかったことになどしない、「共有」できることをさがす最初の一歩になるかもしれません。
-
おやすみ神たち
¥2,750
谷川俊太郎 詩・川島小鳥 写真/ナナロク社 2014年11月初版・2024年7月初版第3刷 一瞬は永遠であって、永遠は一瞬のつながり。わたしだけのひとときであっても、それは世界の一部であり、それが世界を構成していて、だから肉体が滅びても、それは世界の永遠の一部となる。 この本に繰り返し出てくる「タマシヒ」。わたしたちが本当に聴くべき、見るべき、信じるべきもの。この地球上に生あるものに、かならず宿っているもの。谷川俊太郎さんの書き下ろしの詩に、川島小鳥さんが台湾で3年にわたり撮影された撮り下ろしの写真が、日々の中でないがしろにしてしまいがちな「タマシヒ」の存在に改めて気づかせてくれます。 やわらかな本体カバーにはたくさんの写真が。そのカバーを取って現れる静かな光の詩。さまざまな手触り・光沢を感じる、本文に使われた4種類の紙。おやすみ、「神」たち・・・いろんな感覚を使って読みたい詩と写真の本です。
-
【再々入荷】ロシアの装丁と装画の世界
¥1,320
えほんやるすばんばんするかいしゃ 2017年5月発行 この本は、東京・高円寺で絵本を中心とする古本販売・自社出版をされるお店「えほんやるすばんばんするかいしゃ」にやってきた、旧ソ連時代の本の装丁や装画を図版として出版された本です。カラフルであったり、モノトーン調であったり、人やどうぶつたちがいきいきとデザインされていたり、おだやかで緻密な植物や風景だったり。図版はそのままテキスタイルとしてファブリックや洋服として生活に取り入れたいものも。見ていると心が動きます。 本の装丁なので、もちろん情報や意味をもつ文字が入るものも図版の中にはたくさんあります。しかし意味はわからずとも、それらを含めてひとつの作品として美しく、長く眺めていても飽きがきません。 ひとの手によって描かれたイラストやデザイン。世界情勢に気を起きつつも、雨の優しさ、夜の深さ、見えるもの見えないものの生きる世界の広さなど、シンプルに楽しんでいたいと思います。
-
火の鳥 いのちの物語
¥1,540
手塚治虫 原作/鈴木まもる 文・絵/金の星社 2024年4月発行 生きるとはどういうことで、死ぬとはどういうこと?ともし尋ねられたら、なんと答えますか。 そう、わたしはまだ死んだことはないけれど、わたしの命を作ってくれているのは、まぎれもなくたくさんの命たち。 だからこそ、大切にしていかないといけないもの。自分だけが、自分の周りの人たちだけがよければいいのではないこと。 地球全体が元気でいないといけないこと。 たくさんの生と死を見てきた火の鳥が、仲間にやさしく伝えます。 手塚治虫氏原作の壮大な漫画「火の鳥」、子どもたちに向けてリミックスされ、大人と子どもが一緒に考えていきたいテーマの絵本となりました。