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へいわとせんそう
¥1,320
谷川俊太郎 文・Noritake 絵/ブロンズ新社 2019年3月初版発行 「へいわ(「平和」な状態である)」と「せんそう(「戦争」状態にある)」、そこには大きな違いがあり、命を落としたり、常に命の危険にさらされている人がいます。では、そこにいる人と、そこにいない人の違いは何なのでしょう?戦地や、被災地にいるのは、私かもしれないし、少し離れたここにいたのは、私じゃない誰かなのかもしれない。ミサイルや爆弾が落ちたり、いつおさまるか誰にもわからない自然災害の被災地や、救いたい命が目の前にある現場にいるのは、まぎれもなく「私」でもあるのです。 易しい言葉と限りなくシンプルなイラストであらわす日常と非日常。ありったけの想像力で、今まさに読みたい本です。
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つくる人になるために~若き建築家と思想家の往復書簡
¥2,420
光嶋裕介・青木真兵/灯光舎 2023年11月発行 建築家の光嶋さんと思想家の青木さん。おふたりとも40代。サブタイトルにある「若き」は、決して年齢のことではなくて、おふたりの「動き」ではないかと、お手紙を横から拝見する形ながら思いました。「わたしたちは自然の中に生きながら、自然を構成するひとつに過ぎない」、人間は欲張ってるんじゃないかな、などと読みながら感じます。軽やかで、しなやかで、芯があるから風を感じながら受けとめたり流したり。それはまるでこの本の手触りのもう。「つくる」、なにを、どのように?コントラストの差が大きいとおっしゃるふたりのお手紙、読みごたえあります。 やわらかな挿画は、青木さんの私設図書館「ルチャ・リブロ」の司書、青木海青子さんです。
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野生のしっそう~障害、兄、そして人類学とともに
¥2,640
猪瀬浩平/ミシマ社 2023年11月発行 知的障害が「あり」、自閉症者でも「ある」6歳上の兄と、「ある」と言われていない、大学教授で文化人類学を専門とする著者。コロナ禍のある日の深夜、突然の兄の「しっそう」。そのできごとから、過去、現在そして未来を、兄と自分・家族・関わってきた農業と携わる方々や様々な書物でひもとき見直す一冊です。 兄のことをいつも見守っている、と思っているのはこちらの勝手な思い込み。兄の行動の意味を考えると、「つもり」という身勝手さを思い知らされます。 あの日、兄はどこへどうやって「しっそう」したのか。最後までどうぞじっくり読み解いてください。
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【新刊再入荷】すき好きノート
¥1,430
SOLD OUT
谷川俊太郎 文・安野光雅 絵/アリス館 2012年10月発行・2022年12月21刷 見開きの片方のページには、谷川俊太郎さんからの質問が、その一方は答えを書き込めるスペースが。質問は「あなたのすきなものについて」。ノートの左側からはこどもさんにむけて、右側からはおとなにむけて、それぞれ25の質問が用意されています。 「すき」「好き」をあつめて書き込むと、それはもう立派な「すき」なものについて収録した記録の本となります。文字を書いても、絵を描いても、写真を貼っても・・・スペースを「すき」であふれさせてください。 「すき」を思うことのとなりには「きらい」「にがて」も浮かんでくるはず。まるごと自分を振り返りながら、自分だけの本を作ることができます。
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ちゃぶ台12 特集:捨てない、できるだけ
¥1,980
ミシマ社/2023年12月発行 「生活者のための総合雑誌」ちゃぶ台、最新の12号のテーマは「捨てない、できるだけ」。 この「できるだけ」の部分がより身近で、けれどより強く訴えかけてくるようです。 昨日まで捨てていたもの、捨ててしまった気持ち。今日から捨てない方法を考えてみる。今の社会が、試合終了目前の「9回裏」だという例えから、逆縁勝利するにはどう考え、どう動こうか。 たとえばこの本を出版されたミシマ社では、本のメーカーという立場から、1冊の本を作る際に発生する廃棄部分(印刷時の裁断部分などの紙ゴミ)をできるだけ減らす取り組みや、すこしのいたみで販売できなくなり返品された本などの販売にも取り組まれるそう。 その心意気とともに、私たちが捨ててきたさまざまなもの(例えば、動物としてのしっぽも人間は捨ててしまいましたね!)について、思いを寄せてみませんか。
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【再入荷】鬱の本
¥1,980
点滅社 2023年11月発行 文筆家・ミュージシャン・本に携わる人など総勢84人が寄せた、「鬱」と、そのときの「本」にまつわる1000字のエッセイです。 うつ状態、憂鬱、鬱屈・・・この本には、さまざまな「鬱」のときがあります。筆者も鬱をあまり感じないという方から、とても苦しんでいる方まで。「うまくやりたいのに、楽しくいたいのに・・・」そんな時、傍らにあった本とは?こころに水を与えた言葉とは? 見開き2ページがひとりの世界です。巻末には筆者と、紹介された本の紹介もあります。 ひとりひとりの心の形はさまざま、そこにある落ち着いた箔押しで光のあるタイトル、ブックデザインもとてもすばらしいエッセイ集です。
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【再入荷】送別の餃子 中国・都市と農村肖像画
¥1,980
井口淳子/灯光社 2020年10月発行 中国には、日本でいうところの「やわらかい人」のような意味での「やさしい」という言葉はないそうです。それは、大陸の風土気候や歴史の中で生きる人にとって、生きぬくこと自体が大変厳しいことであることのあらわれかもしれません。しかし当然ながらそこには「人」がいて、お互いを思いやる心にあふれている、豊かな土地です。 1990年代初頭、中国都市部でなく農村部を訪れる人がまだほとんどいない時代、文化を調査するために訪問した著者が、そこで暮らす人々の「やさしさ(=強さ)」に触れた数々の記録です。 「わたしたちがお別れするときも、かならず餃子をつくるからね」、誰も知らない土地に赴き、著者が築いた確かなものをあらわす言葉のようです。 細いペン画の挿絵、本体の背にはおもてなしの餃子、カバーの裏側のたくさんの中国の思い出…ひとつひとつに、この本を出版されるにあたっての多くの方の思いがこもっているようです。ぜひ、この本の装幀も触って味わってください。
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もんぺおばさんの田舎料理帖
¥1,980
中井あけみ/能美舎 2022年3月発行 滋賀県栗東市に生まれた著者の中井あけみさんは、ご家族と切磋琢磨しながら好きな料理に磨きをかけ、1982年に家業の鉄工所の2階にキッチン「もんぺおばさん田舎工房」をつくります。工房は知人や、知人の知人など多くの人が集ってにぎやかになり、イベント出展などを手助けする「応援隊」もあるそう。 もんぺおばさんこと中井さんのお料理本は、「家庭でつくりやすいもの」を中心に112ものレシピが。最初に紹介されるレシピは、自家製調味料!ハードルが高いと思っていた味噌にトライして、「手前みそ」をぜひ! もんぺおばさんとご主人は、ご実家の田畑を引き継いだ時に「楽しい百姓をしよう」「楽しくないと、この豊かなくらしを引き継げない」と、田植え体験や味噌づくり体験など、農業体験指導もしながら、地域の人を巻き込んでいきます。減反となった田んぼに蕎麦を植え、大みそかには年越しそばを打ちます。小さかった地域の子どもたちは大きくなり、担い手に成長する。地域の人たちと収穫祭をする、人が集い、あちこちで笑っている・・・コラム「もんぺおばさんの春夏秋冬」には、地方から見た、くらしのひとつの指針が綴られています。 レシピは野菜多めでどこか懐かしくも。「湖国」という異名を持つ滋賀県の郷土料理も多く、琵琶湖が原産の「ビワマス」の料理もありますが、もんぺおばさんいわく、「なければ似ているもので代用を」「あなたのお好みで」とのこと。「料理は楽しくておいしいのがいちばん」だそうです!
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かがみのえほん ふしぎなにじ
¥1,650
わたなべちなつ 作/福音館書店 2014年10月発行 「見る」とは不思議!かがみのように映る紙に描かれた虹は、右と左のページがたがいに映り込み、つながって、また違う虹をつくります。どんどん、どんどん虹は増えていきます。ちいさなひとも、おおきなひとも、ワクワクしながら虹を作ってくださいね。贈り物にもどうぞ! そういえば空に架かる本当の虹も、実態はないけれど、見るひとをいつだって惹きつける不思議な美しさですよね。
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インド音楽とカレーで過ごす日々
¥1,980
語り 石濱匡雄/LLCインセクツ 2022年6月発行 若くしてインドの楽器「シタール」の奏者であり、北インド宮廷音楽家でもあり、また料理に入っている調味料を理解して完璧に再現ができたり、ラジオのパーソナリティでもあるという、興味をそそる肩書きをたくさんお持ちの石濱匡雄さんが語る、自らの生い立ちからどう今に至るのかを語られた本です。 表紙デザインに惹かれて手に取り、最初の2ページでぐいぐい魅入られてしまった石濱さんの語り。淡々とした様子にも、「自分、結局これでええんちゃう?」という何かゆるいけれど芯のようなものを感じます。 それはゴッドマザーの存在であったり、人との関わりであったり、大阪の中津、そしてインドという環境である中で形成されたものかもしれませんが、その中で好きなものを追い続ける(というのもなんだか違うような気もするのですが、)石濱さんの身の置き方の秀逸さ、それをぜひ楽しんでほしい本です。誰だって恵まれてばかりの環境ではないもの。なんとも愛にあふれた言葉「ええんちゃう?」、何かあったときにおまじないのように唱えてみるのも、いいかもですよ。チャイを飲みながらぜひどうぞ!
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ことばの果実
¥880
長田弘/潮出版社 2021年12月発行 長田弘/潮出版社 2022年4月発行 四季のある日本では、さまざまな果実・花実がひとびとの味覚だけでなく視覚、嗅覚、触覚を楽しませてくれます。そこに、詩人、長田弘さんの感覚が加わったエッセイは、長田さんのことばによって「記憶」も呼び覚ましてもらうような。「苺一粒ほどの奇跡」とあとがきの落合恵子さんが語られているように、幼い頃やふとした一瞬に刻まれた果実のみずみずしい記憶がきっと蘇ってきます。「花実」とは「外観と実質、表現と内容」の意味もあるそうです。
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私の好きな孤独
¥990
長田弘/潮出版社 2022年4月発行 「孤独」を知っているからこそ、奥深くのあらたな自分を発見ことができ、広い世界の中で、だれとも違う自分として生きることができる・・・長田弘さんがこの本の中で語られている「孤独」は、絶対的な孤独ではなく、「世界を、宇宙を構成するただ唯一の自分としての在り方」であるように思います。長田さんが触れられた詩、小説、文章、映画、音楽の中にある肯定的な孤独。ひとりになれる空間を愛すること。おとなへ向けた、静けさをテーマに綴られたエッセイです。
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ぷくぷく、お肉(おいしい文藝 第一弾)
¥1,200
河出書房新社 発行 2014年2月発行 お肉、食べますか?好きですか?もちろんお野菜もお魚も、バランスよく食べるのがいいのですが、時々無性に「ああ!お肉食べたい!」という感覚になる不思議。そんな時って、心身ともにある程度元気だけど、さらなる力が欲しい時のような気がします。 さて、この本にはさまざまなお肉料理が登場します。すき焼き、ステーキ、しゃぶしゃぶ、ハンバーグ、トンカツ、焼き鳥、シチューにお鍋・・・お肉について、お肉の料理について、32人の作家が綴ったエッセイを集めたアンソロジーです。どこから読んでもおいしい!世にも珍しい(けれど絶対に食べられない)マンモスのお鍋も登場します。あのお肉、小さいころのアニメで憧れませんでしたか?
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四季の行事食(全集 伝え継ぐ日本の家庭料理)
¥2,600
(一社)日本調理科学会 企画・編集/ (一社)農山漁村文化協会 2021年12月発行 四季のある日本には、季節の行事に合わせて伝えられた食や食文化があります。節句、お花見、田植え、祭り、お盆、報恩講・・・それらは地域の住民がともに作り、祝い、祈り、伝えてきた文化です。 この本では、その中でも昭和35年から45年の頃に実際に地域に定着していた食文化のうち、「次世代にも作り食べ続けていってほしい」と願われて選ばれた食を収録したシリーズ「伝え継ぐ 日本の家庭料理」のひとつです。南北に長い日本に伝わってきた、その土地ならではの食材が使われたさまざまな行事食のほか、ひとの成長、お祝い、別れ、先祖への想いを表す「冠婚葬祭」の時に地域に伝わってきた食文化も収録されています。 たとえば、広島の多くの地区では4月3日は「お花見」の日として、お弁当やカラフルなニッキ水を持って山に出かけていたそう。野菜が年中食べられるようになり、年間を通して一定の温度で快適に過ごすことで四季の概念が薄まりつつある今日、食だけでなく、なくなりつつある地域の文化や行事なども、次世代に伝えていければ、と思えます。 もちろんレシピも満載。素材を「使い切る」料理がたくさんです。
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コーヒーの絵本
¥1,100
庄野雄治 作・平澤まりこ 絵/ミルブックス 2014年10月発行 委託先でもコンスタントに人気のある本がBASEで登場です。 一日のはじまり、まんなか、おわり。その時々に欲しくなる、空気を変える時間のおともに選ばれることの多いコーヒーについて、豆の選び方、ハンドドリップでの淹れ方、保存などを、シーンごとに添えられたあたたかみのある詳しいイラストとともに、コーヒーマイスターの庄野雄治さんが解説された、まさにコーヒーに関する「基本のき」の絵本です。 自分も、誰かも、その人が笑顔になるコーヒーが淹れられたら、それだけで充分うれしい一日になりそうです。
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雑居雑感 No.3
¥1,000
企画・編集/弐拾㏈ 令和5年10月初版発行 ひっそりする深夜の時間の尾道がメイン営業時間の古書店「弐拾㏈」さんが発行される「雑居雑感」。3号のメインテーマは「島へ」。 日本に暮らすものとしては、やはり生活とは切っても切れない身近な島。文化もどこか独特な面があったり、伝統的なものが脈々と繋がっていたり、人と自然、人と人の距離感が密であったり、緩やかであったり。 かつては賑やかであったのに、日本の成長を支えた産業が斜陽となり、若い者は大きな町へ、そのあおりを大きく受けた島… しかし、今もその島の現状はなにか灯りが見えたりしてはいないのでしょうか。 いまわたしたちが暮らす国自体が「島」だということを改めて意識する、雑居雑感第3号です。
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雑居雑感 NO.1(創刊号)
¥1,200
田中謙太郎 文 弐拾dB 企画・編集 令和5年10月第3版発行(令和2年7月初版) 今あるこの場所には脈々と続いている息吹があります。いろいろな人や動物、草花…それぞれが時々に思うのはどんなことで、この土地に染み込んでいるのはだれの涙なのでしょう。 たしかにそこにあったかつての賑わい、そこで生きてきた人。その人とともに生きて、それを次に繋ぐ人、場所… 尾道の商店街を通り抜けた夜の灯りがともる街、久保にお店を構える、深夜営業の古本屋「弐拾dB」さん(土日は日中営業をされています)で発行のリトルプレス「雑居雑感」のお取扱をさせていただきます。 創刊号はかつて尾道駅前に存在した「マーケット」についての考察とそこに生活があった方の温度感が伝わってくるような、飾らない生活者の言葉の数々です。 消し去らずとも少しづつ消えていく記憶を記録することは、そこに縁もゆかりも無くてもその時点に想いをはせるきっかけになり、そこからまた新たなものが生まれるように思います。尾道でも、尾道でない場所でも。今この足元にも。
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雑居雑感 NO.2
¥1,000
田中謙太郎 文 弐拾dB 企画・編集 令和4年3月初版発行 尾道の商店街を通り抜けた夜の灯りがともる街、久保にお店を構える、深夜営業の古本屋「弐拾dB」さん(土日は日中営業をされています)で発行のリトルプレス「雑居雑感」のお取扱をさせていただきます。 2号は、尾道の本土側から目と鼻の先、尾道駅前に立つと造船所に圧倒されるような、尾道水道を挟んだ向かい側「向島」の兼吉地区の2つの老舗「製パン所と鉱泉所」についての聞き書きと考察です。 高度経済成長を支えた兼吉地区は、生活スタイルの変化により変わる人の流れの波を受けます。その中で今も残り、観光客も来店するこの2店はどのような紆余曲折を経て兼吉にあり続けるのか。 先々代、先代、そして今の営業を担う経営者のかたる言葉を、まるで目の前で聞こえてくるような距離感で感じるようです。倒れてしまわぬよう、折れてしまわぬよう、懸命に生きる飾らない言葉です。 創刊号は今はない場所がテーマなのに対し、2号は今もそこにある場所がテーマです。 本を手に兼吉地区を訪れて、お店を受け継ぐパンや瓶の飲み物を手にしてみたり、店主さんとお会いしてみたい気持ちとともに、記憶の中にしかない今は行けない場所がこの本の中のお店と重なり、少しチクリとするような感覚も浮かんできました。
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ふつう
¥2,530
深澤直人/D&DEPARTMENT PROJECT 2020年7月初版発行 「ふつう」、日々使うこの言葉ですが、では「ふつう」とはいったいなになのでしょうか。「ふつう」っていいな、と感じるときはふつうの状態ではなく、なんらかのストレスがかかった状態であり、その時に思い浮かべた「ふつう」は、尖がったものではなく、逆にもしかしたらうっかり見過ごしそうなものではないでしょうか。長い旅から帰ってきた家のお風呂で「ああ、家が一番だな!」と思うのと似ているかもしれません。 生活のまんなかに位置する「ふつう」や「ふつうであることの豊かさ」について、プロダクトデザイナーであり、日本民藝館館長の深澤直人さんの連載されたエッセイに書き下ろし5編と対談を加えた本です。淡い水色の布張りの手触りは心を落ち着かせてくれるあたたかさで、長くそばに置く時間によりまた美しい変化が楽しめそうです。
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【再入荷】公開文通 百年の散歩 01 この星にあってほしいものについて
¥1,800
著:池田彩乃・中村菜月(装画も)/言祝出版 2022年2月発行 文庫版大 56ページ 2021年の秋、詩人・デザイナーの池田彩乃さんと、美術作家の中村菜月さんがnoteで連載された文通を書籍化された、公開文通「百年の散歩」です。 テーマは「この星にあってほしいもの」。その問いの向こう側には、それは今はなくて、けれでも私たちによってつくることができて、残すことができるもの、という希望にもつながるように思います。 さまざまな「あってほしいもの」が登場します。やりとりされる手紙の間には、自分を、自分を取り巻く誰かを、まだ出会っていない誰かを思いやる時間がたくさん感じられます。 本文中には表紙の羊が散歩していたり、クジラが空を飛んでいたり。触れる紙の質感にもこだわりをもたれて作られた、言祝出版のはじめての刊行物だそう。あなたの「この星にあってほしいもの」はなんでしょうか。100年後にはあたりまえに存在しているかもしれません。
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【再入荷】幼年画
¥1,584
SOLD OUT
原民喜/サウダージ・ブックス 2015年8月発行 ※カバー素材が繊細であるため、多少のカスレなどが見られる場合があることをご了承ください。読まれるにあたっては全く支障はありません。 ※現在のみ、定価より10パーセントオフでのご提供です。 原民喜といえば、自身の被爆体験をもとにした作品「夏の花」を思い浮かべる方も多いでしょうか。この「幼年画」は戦争より前、原民喜の初期短編童話集です。舞台は生まれ故郷でもある戦前、原爆投下前の広島。幼い「雄二」を中心とした家族の物語です。 初めて目にするすべての世界がキラキラしたものだったり、ゆえに感じる不安や寂しさであったり。だれもが感じたことがあるその感覚が、物語のなかではとても鮮やかに表現されていて、「そう、世界は大きくて美しいものだった」と改めて感じるようです。この本の中で戦後に書かれたものは一篇。他人とのかかわりや、永遠の別れといった悲しみを経て、雄二が少年へ成長を遂げた姿がとてもすがすがしく綴られています。 戦禍のあとの街は決してもともと広場や公園だったわけではなく、そこには人が生きていて暮らしがあった。童話であるとともに、戦前の広島の様子の鮮やかな記録でもあります。
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【再入荷】『ピカドン』(初版オリジナル復刻版)/『ピカドン』とその時代
¥1,980
琥珀書房/2023年8月発行 ◎『ピカドン』絵・文:丸木位里、赤松俊子(丸木俊) 編集:原爆の図丸木美術館 ※オリジナル版『ピカドン』(平和を守る会編、ポツダム書店刊、1950年) ◎『ピカドンとその時代』原爆の図丸木美術館 編 ※冒頭にカラー口絵付録つき(幻灯ピカドン、「原爆の図」展ポスター、「原爆の図」関連木版画) ※見返しは「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴の再生紙「平和おりひめ(広島・木野川紙業)」使用 ◎2冊1セット・紙スリーブ入り(分売不可) 発刊直後に発禁・回収処分となったといわれる(詳細は不明)、原爆投下5年後に、丸木位里と赤松俊子(丸木俊)によって作られた絵本「ピカドン」。 その後復刻版も出版されていますが、このたび琥珀書房から出版のこの本は、オリジナル版を可能な限り忠実に再現するために、色みや紙質にも大変こだわられた作りとなっています。 大江健三郎「ヒロシマ・ノート」の各章の扉にも使われている、黒一色の絵と、添えられた短い文。ご主人とともに被爆し、ひとり残されたおばあさん(丸木位里の両親ともいわれる)がくりかえし語るのは「ピカは人が落とさにゃ落ちてこん」。あの日の時間や場所を行き来する多数の絵と文、そのひとつは「爆心地の話をつたえてくれる人は、いません」と。 核兵器の使用が懸念される世界情勢の中で復刊された本、5人の執筆者による解説とともに、いま一度「戦争が、核兵器が奪うもの」を目で見て、手で触ってみてください。
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植物考
¥2,200
SOLD OUT
藤原辰史/生きのびるブックス 2022年11月発行 「植物」、あまりに身近すぎる存在であり、古来からどこか植物に対して人は優位性を持っているようなふるまいや言動を行っているけれど、はたしてそうなのか・・・植物の実りを食べ、樹皮や根を人類は進化のために利用し、あげく、「緑を見るといやされる」などと、植物を「緑」とひとくくりにしてしまう横暴さ・・・しかし、そもそも植物が酸素を作らなければ、人は生命を維持することすらできないのでは? 著者の藤原辰史さんが、自らと植物とのかかわりから、植物学、哲学、芸術、文学、歴史学などを縦横無尽に行き来しながら綴られた「植物」のエッセイです。あちらから、こちらから、思考が軽やかに渡り歩く様子は、見えないところで根を張るような、ゆらゆらと風に揺れる葉のような、はっと目を見張る美しい花のような・・・ 栽培していたミニトマトがうっかり大変なことになる様子はユーモラスで楽しく、藤原さんの「人」の魅力も、植物の意思がひしひしと伝わってきます。ウェブマガジン「植物考」「新・植物考」に大幅な加筆訂正を加えらえた1冊です。表紙の目を惹くバラの写真は、石内都さんによるものです。
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【再入荷】山とそば
¥800
SOLD OUT
ほしよりこ 新潮社 2011年11月発行 210mm×148mm ※再入荷した本には帯はついておりません。 漫画家ほしよりこさんが訪問した土地を思い出し楽しんだ様子をまとめられたイラストエッセイです。 山に行き、お蕎麦を食す様子をその行程途中から描き始められた「山とそば」はじめ、白ヘビと鹿と猿に出会う「ヘビに巻かれて」、魅力的な人たくさんの「カルデラのある町へ」そしてオマケの「福島、仙台」の旅が収録。 思うように外出もままならない時には、かつて訪れた場所をほしさん風に思い出してみても楽しいかもしれません。いつか再訪する願いも込めて。