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上海ブギウギ1945 服部良一の冒険
¥2,090
上田賢一/アルテスパブリッシング 2023年8月発行 ※2003年に音楽之友社から刊行された同名書の新装改訂版です 朝の連続ドラマ「ブギウギ」の主人公のモデルになった笠置シヅ子さんへの楽曲提供で、今また再注目の服部良一さん。魚屋を営む両親のもとに生まれた服部さんが音楽を目指し、ジャズを愛し、やがて日本の歌謡曲作曲の最高峰に上る過程を、「魔都」「不夜城」「文化の中心地」ともいえた1920~30年代の上海で出会った、李香蘭らさまざまな人々との交流や戦争の影を交えながら綴られています。 日本がポツダム宣言を受諾した夜の上海の街の様子も。「戦争をしていたのは国同士で、われわれ音楽家どうしではない。これからは軍を気にすることなく堂々と付き合えます」と敗戦の夜にかけられたという言葉。服部良一さんと音楽はもちろん、人々との交流、国という大きな組織に禁じられても消えることのない文化を愛する心など、「ブギウギ」のタイトルの通り心が躍るような一冊です。
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2001年の夏休み 東京大学駒場寮写真集(SECOND EDITION)
¥820
大薄朋子 著・写真/STUDIO PETIT 2018年11月発行 650部限定・シリアルナンバーつき 現在はイラストレーターのオオスキトモコさんが、2001年に知人を介して知り魅力を感じた、渋谷駅からほど近い都心の森の中にあった蔦が絡まる古い建築物、それは東京大学の駒場寮でした。 この年の8月、強制執行による学生の退去で閉寮になる直前の春、駒場寮の存在を知った作者はこの建物にたちまち魅了されます。建築としての面白さだけではなく、暮らしている学生の自由さにも惹かれた当時大学4年の作者は、かねてから閉寮・取り壊し問題の渦中にある駒場寮で生活する寮生のインタビューと写真を編集して卒業制作とするため、2001年の夏休みを駒場寮で見た「美しいもの」の撮影に費やしました。 写真には、夏という季節のまぶしさ、緑の生命感と対照的に、学生たちがそれぞれひとりで抱える孤独感のような暗い室内や、心の声の落書きもあります。2015年の初版を再編して発行されたこのセカンドエディションは、新たに当時の東大の立て看板(タテカン)の写真や、寮の存続をめぐって対立する運動の写真も追加され、当時の熱気や時代の雰囲気のようなものを感じることができます。 今はもうなくなった場所。そこにかつていた人々の息づかいを記録することは、ノスタルジーで終わるのではなく、次の世代へと伝えるすべになります。 わたしが訪れたことのない駒場寮の写真から思い出すのは、かつての自分であり、いつか見かけた人かもしれない。だれかの駒場寮での日々が確かにあった、2001年の夏の写真集です。
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敢えてここでいただきます 2
¥660
わたのはらさゆ/2024年2月発行 ※わたのはらさゆさん作フリーペーパー「Leftright Free Zine #7」付 【面白い場所で食べた記録、第二弾】 大好評の「敢えてここでいただきますシリーズの2冊目です。 旅をさまざまな視点から考察されるわたのはらさゆさんによる、「ほう!ここで食!!」のレポートシリーズ。日々の生活には欠かせない「食事」という行為。付加価値をつけるとしたら、「場所」はおもしろいスパイスになります。景色、空気、雰囲気・・・そうか、外食は「非日常」の中で摂る食。だから公園のベンチで飲む缶飲料も、いつもと違って気分転換になるのかもしれませんね。 国内線ファーストクラスのレポートはじめ、想像力を駆使して、ちょっとした旅と食事を味わってみませんか。
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ヒロシマ・ノート
¥902
大江健三郎/岩波書店 1965年6月初版発行 平和な暮らしを望み、つつましく戦時下を生きていた人々の上に落とされた原子爆弾。かろうじて生き延びた人々は、絶望と恐怖を抱えながら、医療者もまた未知なる事案と日々戦いながら 第二次世界大戦の敗戦から18年、大江健三郎さんが広島で見た核の脅威と人々の生、命。 悲しさ、怒り、無力さ…ふたたびその道へと向かいつつある気配の中を生きる私たちが、まずできることは「知る」こと。さまざまな情報がリアルタイムで流れてくる中、そのてだてのひとつとして、未読の方はいかがでしょうか。 各章のとびらのページに添えられるのは、「原爆の図」の丸木位里、赤松敏子(丸木俊)が原爆投下5年後の1950年に作った絵本「ピカドン」より。 「爆心地の話をつたえてくれる人は、いません」
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【再入荷】空耳(イラスト短歌同人誌)
¥700
橋爪志保・短歌 domina・イラスト 2021年2月発行 橋爪志保さんの短歌に、dominaさんがイラストをつけられた歌集です。 橋爪さんは短歌の新人賞である第2回笹井宏之賞の永井祐賞を受賞された若き歌人です。dominaさんのイラストと橋爪さんの短歌、開いたページのそれぞれはまるで絵本のような、プレゼントに添えられたグリーティングカードのような。 「空耳が」で始まる、この歌集の最後に収録されている一首が、いつまでも心に余韻を残します。表紙のタイトルは銀の箔押しがされている、豪華なフルカラーのリトルプレスです。
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【再々入荷】本が語ること、語らせること
¥1,760
青木海青子/夕書房 2022年5月発行 *再々入荷いたしました! 著者は奈良県東吉野村にて私設図書館「ルチャ・リブロ」を家人と運営する司書の青木海青子さん。心身ともに疲れ果てて移住した地で取得した古民家の自宅と蔵書を、私設図書館として開放します。本に助けられた2人は東吉野村に根付き、新たな場所を作られています。 図書館を訪れた人から時に「誰にも言えなかったような、心の中にある本当」が語られることも。その理由として、本が人の心を解放させる効果がある、と海青子さんは綴られています。 本書は、海青子さんのやわらかなエッセイと、その合間に「司書席での対話」として、近しい利用者から出てきたモヤモヤに、少し見通しのよくなるような3冊の本が理由とともに提案される8篇に加え、「本に助けられたできごと」を海青子さん自身が語るページからなり、全体を通して心の持ちようの処方箋のような本となっています。 自分の思考に凝りかたまらず、気持ちに窓をつくるとは?言葉の海を泳ぐとは?まえがきである「はじめに」を読むだけでも清々しくなれるようです。 助けられながらその場に根ざして生きる、「土着」をキーとして、でも軽やかに。ブックガイドとしても楽しめます。 表紙の手触りと同じ、かわいい特製しおりが付いています。
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自炊者になるための26週
¥2,178
SOLD OUT
三浦哲哉/朝日出版社 2023年12月発行 自宅で、自分のつくったものを食べる。「自炊」ができるようになると、生活は明らかに変化するのではないかと思います。 この本では、基本的に「1章=1週」で取り組んでみると、26週、つまり半年が経ったころには、献立を考えたり、素材を選んだり、もちろん料理のレパートリーも増えたり、家族のある方はそれぞれの家事の分担を考えたり、環境問題にも心を寄せたり・・・そんなような自分になっている(予定)かもしれません。「面倒」をちょっと超えて、自炊について考えてみませんか。第1週は、朝食用のトーストからですよ! そしてこちらの本、レシピはついていますが、写真はありません。けれど、そのレシピの行間の余白のようなものが、自由でいいんじゃないかと思えます。「風味」って、風の味という字がどうして使ってあるのでしょう。自分の感覚をフルに使って、自炊者を目指してみませんか。
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【かがくのとも絵本】平野レミの おりょうりブック
¥1,100
平野レミ 文 和田唱・和田率 絵 和田誠 デザイン/福音館書店 1989年6月 かがくのとも発行 幼稚園・保育園などの頒布で手にされた方も多い月刊誌「かがくのとも」からうまれた絵本です。 省ける手間はすべて省いた、おいしく愉快な平野レミさんのお料理の原点ともいえる、子どもたちが自分で作れる「ごはん」の本です。 表紙タイトルの上にあるのは「ひも ほうちょうも つかわない」。食べることへの興味がわいたら、ここからスタート! 主食、副菜、デザートまで。おいしくなる工夫もたくさんの、これはまさに「お料理本」です!デザインは和田誠さん。平野レミさんのご一家で作られた、4歳から楽しめる絵本です。
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私と世界をつなぐ、料理の旅路―14人の「私が料理をする理由」
¥2,420
LLCインセクツ/2023年5月発行 たとえばわたしが今日作る食事。これらはどうやって今日のわたしへ伝わって、おとなりの人が作る同じ(ような)食事と、なにが違ってなにが同じなのか。誰がわたしのもとへ、この料理を伝えてきてくれたのか。明日は、10年後は、100年後は、今日の食事とどう変わっていくのか。 本書に登場する14人の女性たち。それぞれ魅入られた国のお料理やお菓子を作ることをなりわいとし、日々誰かへふるまったり、伝えています。彼女たちはどのようにして、日本ではない国に魅入られて、どうやってその料理と出会い、受け継いでいるのでしょうか。 「食べることは、生きること」、どの国でも彼女たちの窮地を救ってくれるのは「人と食」です。ゆえに彼女たちが受け継ぐのは、レシピだけではなく、その国の文化や出会った人の生きざまで、その様子はなんだか冒険小説を読んでいるようにも。それぞれの思い出のレシピも紹介です。 踏み出す一歩が難しいと感じる人へ、ぜひ手に取ってみてほしい本です。
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【再入荷】その世とこの世
¥1,760
谷川俊太郎・ブレイディみかこ 著 奥村門土 絵/岩波書店 2023年11月発行 いま私たちがいる「この世(this world)」と、この世の向こうの「あの世(that world)」、くっきり線引きがされているわけではない、そのあいだにグラデーションのように「その世」が、「somewhere in between」といえるようなゆらめきのある世界が存在するのではないか・・・ 明確に表現しきれないその世界に、人はたびたび惹かれます。身近なひとや、いろいろなものとの出会いや別れ、この世に生を受けた自分を形成してきた環境、いまの自分自身とこれから・・・「この世」から「その世」、そして、年齢を重ねながら「あの世」を「その世」をとおした、今まさにいる「この世」から見つめることも増えていくようです。 ライター、ブレイディみかこさんの書簡と、詩人・谷川俊太郎さんの詩での、面識を持たない二人の間の言葉のやりとり。連載「言葉のほとり」に、奥村門人(モンドくん)の挿画、世代を跳び越えた3人のやりとり、誰かの問いに明確な答えはなく、こころに残った言葉からまたつぎの世界へ入っていきます。ふわりふわり、軽やかに。
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【数え切れない再入荷!】こんにちは!さよふしぎたんていしゃです!
¥770
SOLD OUT
さよたんてい 著/ADAMay Publishing 2019年12月発行 56ページ 148✕210mm *特典「つまらない生活を捨てろ!」ステッカー付き! 迷える大人たち。悩みは尽きないのです。つい現実から逃避してしまいがちな、そんな大人たちのお悩みに、小学3年生のさよたんていがズバッと切り込んでくれます。優しくまっすぐなさよたんていのお答え、クスリと笑ううちに気持ちも軽くなりますよ! インスタグラムで連載中。さよたんていのお答えが書籍化、100件以上のお悩みがスッキリです!
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【再入荷】バスが来ない
¥990
手差ユニッツ/2023年8月 【再入荷しました!】 村に暮らすブンメはある日大きな荷物を抱えて、丘の上のバス停にやって来ます。次に来たバスに乗って、誰にも干渉されずに自由に暮らすために。けれど、いつまでたってもバスがやって来ない… バス、いつ来るのかな?と読み進めるうちに、一緒に暮らすタコばあさんはじめ、ひとりひとり登場してくる村の住人たちとの日々がとても愛らしく見えてきます。 ブンメ、ほんとにバスに乗って、誰もブンメのことを知らない街に行って暮らしちゃうのかな。でも私の中にも、そうしたい欲望は、まだ完全に消えてはいない気がするもんな… 手描き漫画をリソグラフ印刷されて作品を発表されている「手差ユニッツ」さんの最新作です。(この本は表紙がリソグラフ印刷です。) バスは来る?このまま来ない?どこかにある、もしかしたら自分の中にもあるかもしれない、この村に暮らすひとりになって、ブンメをあなたも見守ってくださいね。
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へいわとせんそう
¥1,320
谷川俊太郎 文・Noritake 絵/ブロンズ新社 2019年3月初版発行 「へいわ(「平和」な状態である)」と「せんそう(「戦争」状態にある)」、そこには大きな違いがあり、命を落としたり、常に命の危険にさらされている人がいます。では、そこにいる人と、そこにいない人の違いは何なのでしょう?戦地や、被災地にいるのは、私かもしれないし、少し離れたここにいたのは、私じゃない誰かなのかもしれない。ミサイルや爆弾が落ちたり、いつおさまるか誰にもわからない自然災害の被災地や、救いたい命が目の前にある現場にいるのは、まぎれもなく「私」でもあるのです。 易しい言葉と限りなくシンプルなイラストであらわす日常と非日常。ありったけの想像力で、今まさに読みたい本です。
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つくる人になるために~若き建築家と思想家の往復書簡
¥2,420
光嶋裕介・青木真兵/灯光舎 2023年11月発行 建築家の光嶋さんと思想家の青木さん。おふたりとも40代。サブタイトルにある「若き」は、決して年齢のことではなくて、おふたりの「動き」ではないかと、お手紙を横から拝見する形ながら思いました。「わたしたちは自然の中に生きながら、自然を構成するひとつに過ぎない」、人間は欲張ってるんじゃないかな、などと読みながら感じます。軽やかで、しなやかで、芯があるから風を感じながら受けとめたり流したり。それはまるでこの本の手触りのもう。「つくる」、なにを、どのように?コントラストの差が大きいとおっしゃるふたりのお手紙、読みごたえあります。 やわらかな挿画は、青木さんの私設図書館「ルチャ・リブロ」の司書、青木海青子さんです。
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野生のしっそう~障害、兄、そして人類学とともに
¥2,640
猪瀬浩平/ミシマ社 2023年11月発行 知的障害が「あり」、自閉症者でも「ある」6歳上の兄と、「ある」と言われていない、大学教授で文化人類学を専門とする著者。コロナ禍のある日の深夜、突然の兄の「しっそう」。そのできごとから、過去、現在そして未来を、兄と自分・家族・関わってきた農業と携わる方々や様々な書物でひもとき見直す一冊です。 兄のことをいつも見守っている、と思っているのはこちらの勝手な思い込み。兄の行動の意味を考えると、「つもり」という身勝手さを思い知らされます。 あの日、兄はどこへどうやって「しっそう」したのか。最後までどうぞじっくり読み解いてください。
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【新刊再々入荷】すき好きノート
¥1,430
谷川俊太郎 文・安野光雅 絵/アリス館 2012年10月発行・2022年12月21刷 見開きの片方のページには、谷川俊太郎さんからの質問が、その一方は答えを書き込めるスペースが。質問は「あなたのすきなものについて」。ノートの左側からはこどもさんにむけて、右側からはおとなにむけて、それぞれ25の質問が用意されています。 「すき」「好き」をあつめて書き込むと、それはもう立派な「すき」なものについて収録した記録の本となります。文字を書いても、絵を描いても、写真を貼っても・・・スペースを「すき」であふれさせてください。 「すき」を思うことのとなりには「きらい」「にがて」も浮かんでくるはず。まるごと自分を振り返りながら、自分だけの本を作ることができます。
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【再入荷】鬱の本
¥1,980
点滅社 2023年11月発行 文筆家・ミュージシャン・本に携わる人など総勢84人が寄せた、「鬱」と、そのときの「本」にまつわる1000字のエッセイです。 うつ状態、憂鬱、鬱屈・・・この本には、さまざまな「鬱」のときがあります。筆者も鬱をあまり感じないという方から、とても苦しんでいる方まで。「うまくやりたいのに、楽しくいたいのに・・・」そんな時、傍らにあった本とは?こころに水を与えた言葉とは? 見開き2ページがひとりの世界です。巻末には筆者と、紹介された本の紹介もあります。 ひとりひとりの心の形はさまざま、そこにある落ち着いた箔押しで光のあるタイトル、ブックデザインもとてもすばらしいエッセイ集です。
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【再入荷】送別の餃子 中国・都市と農村肖像画
¥1,980
井口淳子/灯光社 2020年10月発行 中国には、日本でいうところの「やわらかい人」のような意味での「やさしい」という言葉はないそうです。それは、大陸の風土気候や歴史の中で生きる人にとって、生きぬくこと自体が大変厳しいことであることのあらわれかもしれません。しかし当然ながらそこには「人」がいて、お互いを思いやる心にあふれている、豊かな土地です。 1990年代初頭、中国都市部でなく農村部を訪れる人がまだほとんどいない時代、文化を調査するために訪問した著者が、そこで暮らす人々の「やさしさ(=強さ)」に触れた数々の記録です。 「わたしたちがお別れするときも、かならず餃子をつくるからね」、誰も知らない土地に赴き、著者が築いた確かなものをあらわす言葉のようです。 細いペン画の挿絵、本体の背にはおもてなしの餃子、カバーの裏側のたくさんの中国の思い出…ひとつひとつに、この本を出版されるにあたっての多くの方の思いがこもっているようです。ぜひ、この本の装幀も触って味わってください。
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もんぺおばさんの田舎料理帖
¥1,980
中井あけみ/能美舎 2022年3月発行 滋賀県栗東市に生まれた著者の中井あけみさんは、ご家族と切磋琢磨しながら好きな料理に磨きをかけ、1982年に家業の鉄工所の2階にキッチン「もんぺおばさん田舎工房」をつくります。工房は知人や、知人の知人など多くの人が集ってにぎやかになり、イベント出展などを手助けする「応援隊」もあるそう。 もんぺおばさんこと中井さんのお料理本は、「家庭でつくりやすいもの」を中心に112ものレシピが。最初に紹介されるレシピは、自家製調味料!ハードルが高いと思っていた味噌にトライして、「手前みそ」をぜひ! もんぺおばさんとご主人は、ご実家の田畑を引き継いだ時に「楽しい百姓をしよう」「楽しくないと、この豊かなくらしを引き継げない」と、田植え体験や味噌づくり体験など、農業体験指導もしながら、地域の人を巻き込んでいきます。減反となった田んぼに蕎麦を植え、大みそかには年越しそばを打ちます。小さかった地域の子どもたちは大きくなり、担い手に成長する。地域の人たちと収穫祭をする、人が集い、あちこちで笑っている・・・コラム「もんぺおばさんの春夏秋冬」には、地方から見た、くらしのひとつの指針が綴られています。 レシピは野菜多めでどこか懐かしくも。「湖国」という異名を持つ滋賀県の郷土料理も多く、琵琶湖が原産の「ビワマス」の料理もありますが、もんぺおばさんいわく、「なければ似ているもので代用を」「あなたのお好みで」とのこと。「料理は楽しくておいしいのがいちばん」だそうです!
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かがみのえほん ふしぎなにじ
¥1,650
わたなべちなつ 作/福音館書店 2014年10月発行 「見る」とは不思議!かがみのように映る紙に描かれた虹は、右と左のページがたがいに映り込み、つながって、また違う虹をつくります。どんどん、どんどん虹は増えていきます。ちいさなひとも、おおきなひとも、ワクワクしながら虹を作ってくださいね。贈り物にもどうぞ! そういえば空に架かる本当の虹も、実態はないけれど、見るひとをいつだって惹きつける不思議な美しさですよね。
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インド音楽とカレーで過ごす日々
¥1,980
語り 石濱匡雄/LLCインセクツ 2022年6月発行 若くしてインドの楽器「シタール」の奏者であり、北インド宮廷音楽家でもあり、また料理に入っている調味料を理解して完璧に再現ができたり、ラジオのパーソナリティでもあるという、興味をそそる肩書きをたくさんお持ちの石濱匡雄さんが語る、自らの生い立ちからどう今に至るのかを語られた本です。 表紙デザインに惹かれて手に取り、最初の2ページでぐいぐい魅入られてしまった石濱さんの語り。淡々とした様子にも、「自分、結局これでええんちゃう?」という何かゆるいけれど芯のようなものを感じます。 それはゴッドマザーの存在であったり、人との関わりであったり、大阪の中津、そしてインドという環境である中で形成されたものかもしれませんが、その中で好きなものを追い続ける(というのもなんだか違うような気もするのですが、)石濱さんの身の置き方の秀逸さ、それをぜひ楽しんでほしい本です。誰だって恵まれてばかりの環境ではないもの。なんとも愛にあふれた言葉「ええんちゃう?」、何かあったときにおまじないのように唱えてみるのも、いいかもですよ。チャイを飲みながらぜひどうぞ!
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雑居雑感 No.3
¥1,000
企画・編集/弐拾㏈ 令和5年10月初版発行 ※展示見本品のため若干の曲がりがあります。ご了承ください。 ひっそりする深夜の時間の尾道がメイン営業時間の古書店「弐拾㏈」さんが発行される「雑居雑感」。3号のメインテーマは「島へ」。 日本に暮らすものとしては、やはり生活とは切っても切れない身近な島。文化もどこか独特な面があったり、伝統的なものが脈々と繋がっていたり、人と自然、人と人の距離感が密であったり、緩やかであったり。 かつては賑やかであったのに、日本の成長を支えた産業が斜陽となり、若い者は大きな町へ、そのあおりを大きく受けた島… しかし、今もその島の現状はなにか灯りが見えたりしてはいないのでしょうか。 いまわたしたちが暮らす国自体が「島」だということを改めて意識する、雑居雑感第3号です。
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雑居雑感 NO.1(創刊号)
¥1,200
田中謙太郎 文 弐拾dB 企画・編集 令和5年10月第3版発行(令和2年7月初版) 今あるこの場所には脈々と続いている息吹があります。いろいろな人や動物、草花…それぞれが時々に思うのはどんなことで、この土地に染み込んでいるのはだれの涙なのでしょう。 たしかにそこにあったかつての賑わい、そこで生きてきた人。その人とともに生きて、それを次に繋ぐ人、場所… 尾道の商店街を通り抜けた夜の灯りがともる街、久保にお店を構える、深夜営業の古本屋「弐拾dB」さん(土日は日中営業をされています)で発行のリトルプレス「雑居雑感」のお取扱をさせていただきます。 創刊号はかつて尾道駅前に存在した「マーケット」についての考察とそこに生活があった方の温度感が伝わってくるような、飾らない生活者の言葉の数々です。 消し去らずとも少しづつ消えていく記憶を記録することは、そこに縁もゆかりも無くてもその時点に想いをはせるきっかけになり、そこからまた新たなものが生まれるように思います。尾道でも、尾道でない場所でも。今この足元にも。
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雑居雑感 NO.2
¥1,000
田中謙太郎 文 弐拾dB 企画・編集 令和4年3月初版発行 尾道の商店街を通り抜けた夜の灯りがともる街、久保にお店を構える、深夜営業の古本屋「弐拾dB」さん(土日は日中営業をされています)で発行のリトルプレス「雑居雑感」のお取扱をさせていただきます。 2号は、尾道の本土側から目と鼻の先、尾道駅前に立つと造船所に圧倒されるような、尾道水道を挟んだ向かい側「向島」の兼吉地区の2つの老舗「製パン所と鉱泉所」についての聞き書きと考察です。 高度経済成長を支えた兼吉地区は、生活スタイルの変化により変わる人の流れの波を受けます。その中で今も残り、観光客も来店するこの2店はどのような紆余曲折を経て兼吉にあり続けるのか。 先々代、先代、そして今の営業を担う経営者のかたる言葉を、まるで目の前で聞こえてくるような距離感で感じるようです。倒れてしまわぬよう、折れてしまわぬよう、懸命に生きる飾らない言葉です。 創刊号は今はない場所がテーマなのに対し、2号は今もそこにある場所がテーマです。 本を手に兼吉地区を訪れて、お店を受け継ぐパンや瓶の飲み物を手にしてみたり、店主さんとお会いしてみたい気持ちとともに、記憶の中にしかない今は行けない場所がこの本の中のお店と重なり、少しチクリとするような感覚も浮かんできました。